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  ▼スイスのスポーツ「スイスサッカー」

世間を寝不足にさせたドイツワールドカップ以降、スイスではサッカーの人気が急上昇しています。思えば数々のドラマが生まれたワールドカップでしたが、全部ジダンが持っていった感じでしたね。ドイツワールドカップはイタリアの優勝より、彼が決勝戦でやった頭突きのシーンのほうが有名になっちゃってます。

そのワールドカップが終わってもサッカー界は止まることを知らず、次なる戦いに向けて始動します。それが俗にユーロと呼ばれている欧州選手権。このユーロもワールドカップと同じく、4年に1度の割合で開催されます。そして2008年に行われる舞台となるのが、スイスとオーストリアです。こういった大きな大会は設備などがしっかりしていないと、1カ国だけの開催は難しいのですが、2カ国の共同となると開催されやすいそうです。記憶に新しいのが、2002年の日韓ワールドカップ。日本に世界のスター選手が来るなんて誰も思ってなかったでしょう。

2004年にポルトガルで開催されたユーロは、民放で放送されたこともあり、この大会の認知度も随分と広まってきました。ワールドカップが「世界一」を決める大会ならば、ユーロは「欧州一」を決める大会です。

現在、世界のサッカー界を常にリードし続けるヨーロッパサッカーを制することは、世界最強を名乗ると言っても過言ではないぐらいに、レベルの高い大会です。特に欧州を代表する、イタリア、フランス、イングランド、スペインなどの強豪が、直接対決するゲームはとても見ものです。なんせワールドカップの直後ですから、みんな野心に燃えたぎってるわけです。そのため、なぜかこの季節は怪我をする選手が続出します。

ユーロの予選では7つのグループに分かれ、グループ内の全チームが母国で戦うホームと、敵地に赴いて戦うアウェイとで、計2試合づつ同じチームと戦います。ワールドカップと同じく、グループの首位と2位のみがそれぞれ本大会へ出場することができます。スイスとオーストラリアは開催国であるため、既に予選を免除されているので、彼らの勇姿が見れるのは本大会からとなります。

スイスはサッカー強国としてのイメージはあまりありませんが、近年は若手を中心とした育成が成果を出しているようです。
現在就任しているコビ・クーン監督は、当初、母国で開催される2008年のユーロを見据えて、長期的なプランでチーム作りを進めていました。そのため、2004年のユーロ予選は「経験を積ませる場」と位置づけて、若手を多く試合に起用していた。
ところが、「嬉しい誤算」というのはこういうことを言うのでしょうか。将来を有望視されている若手選手たちが、早くも才能を開花させ、見事に予選を突破してしまうのです。監督もおもわず「アンビリーバボー」とつぶやいたかは知らないが、まさにそんな感じであった。
そして本大会では、フランス、イングランド、クロアチアという強豪国を相手に健闘しながらも、グループリーグ敗退となってしまうが、強豪国を相手に真剣勝負の場を積むことにより、貴重な経験を積むことができた。

その経験が生きてきたのが、2006年のワールドカップです。予選で再びフランスと同じグループに入ってしまい、予選突破は難しいと誰もが思っていましたが、そのフランスとの試合を2試合とも引き分けで乗り切ったばかりか、予選を2位で通過したのです。その後、トルコとの激しいプレーオフを見事に制し、ワールドカップの出場を決めました。

ワールドカップ本大会では、悲運か幸運か、3度フランスと同じグループに入ってしまいますが、今度はフランスをおさえ首位でグループステージの通過を果たしました。若い選手達が試合ごとに成長している姿が垣間見えた瞬間でもありました。しかし、次の決勝トーナメント1回戦でウクライナにPK戦であっさりと敗れてしまいました。

この大会では全ての試合で無失点を記録した、まさにスイスの特徴を現していました。無失点ながらにして試合に負けてしまったのは、非常に残念です。
皆さんも、PK戦はさすがにご存知だと思うが、キーパーとキッカーが1対1になって争われるもの。ベテランの選手でさえ、PK戦のプレッシャーは凄まじいと聞きます。それもそのはずで、相手サポーターからのブーイングや、自チームのサポーターからの熱い視線や期待、外してはいけないというプレッシャーなど、精神力がなければ到底耐えれません。
若い選手達はこういった精神力についてはまだ発展途上であるため、ここにきて経験の差というものが出てしまった結果になった。経験がまだ浅い若手の選手達にとって、ワールドカップと言う大舞台でのPK戦はあまりにも荷が重すぎた。

しかしその守備の堅さは本大会中もっとも際立っていた。
小国でしかないスイスにとってここまでの流れはまさに快進撃とも言える。結果を残すにはいつでも理由がある。あまり知られていないが、スイスにも名プレイヤーが揃っている。

中でも軸となるのが DFの要、フィリップ・センデロスだ。
イングランドの名門チームであるアーセナルでレギュラーをつとめる彼は、まだ21歳。国際舞台での経験も十分にあり、このまま経験を積めば世界屈指のディフェンスに成長していくことだろうと、スイスの選手のなかでも最も期待されている。

同じく、アーセナルのチームメートでDFであるジュルーは19歳。
192pという体格をもつジュルー。そのあどけない顔つきはまさしく10代であるが、そんな彼ももはや代表チームには欠かせない存在だ。
昨シーズン、ディフェンスラインに故障者が続出したアーセナルにて、急遽出番を得て、及第点の働きを見せた。これからセンデロスとともに大きく伸びるであろうといわれる選手である。

スイスのストライカーであるフォンランテンは、ユーロ2004にてウェイン・ルーニーがもっていた最年少得点記録を塗り替えた人物である。当時16歳であったストライカーも、今は20歳。オランダ、イタリアのクラブに所属し、経験を積み重ねている。2006ドイツワールドカップの予選でも8ゴールと好調だったが、怪我に苦しみ、直前で代表を外された苦い経験をもつ。ユーロ2008では、多いに期待されている人物だ。

さらには21歳のサイドアタッカー、バルネッタはW杯でも素晴らしい得点を決めた攻撃の軸になる選手であるが、今はスランプに陥っている。

このように若い選手がチームを支えているスイス。「若さ」というのはとても不安定なものだが、同時に若い選手は吸収がとても早いため、試合ごとに成長していく。

あと1年8ヵ月。若いスイスが一皮も二皮もむけ、本大会で暴れるには十分な時間である。欧州一の文字は決して遠くない。
これを機会に皆さんもスイスサッカーに注目し、是非ともユーロ2008を観戦してみて欲しいと思う。


 

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