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  ▼完全中立国スイス

中立。一度は皆さんも聞いたことがあると思います。戦争などにおいて、双方のどちらにも味方とならないし敵にもならないず、それに関わることもしないことを指します。国際法上においても、様々な中立の形があります。永世中立、一般的中立、部分的中立、任意的中立、好意的中立、厳正中立、戦時中立、協定中立など。そのなかでも永世中立というのは、もし世界大戦のようなことが起こっても、これに一切関わらず中立の立場を通すもの。これを宣言するには他の国もこのことに承認しなければ成立はしません。
  また、永世中立は自国が危険に陥ったとしても、誰も加勢しないし関わらないことも意味していますので、「中立なんだから自分でなんとかできるでしょ?」ということになります。じゃあやっぱり誰かに守ってもらったり援助してもらったほうがいいのではないか? しかしスイスは違います。何でも人任せな日本とは違い、スイスでは国民一人ひとりが「自分たちで国を守る」という意識がついています。自衛のための訓練もしっかり行っているため、他の国の援助など必要ないぐらいに強力な自衛策をもっているので、永世中立は十分に成り立っているのです。 日本の「私たちには関係ないから戦いたくない。お偉いさんが何とかしてくれるよ」という考え方とは大きく違ってきます。永世中立国を宣言している国はスイス以外にも、オーストリア、リヒテンシュタイン、トルクメニスタンなどがあります。
  「Unus pro omnibus, omnes pro uno」これはラテン語で、「一人はすべての為に、そしてすべては一人の為に」という意味だそうです。この言葉通り、スイス国民は何かあればすぐにでも動けるように常日頃から準備をしています。一家庭に地下シェルターと銃が一丁、弾薬、手榴弾などが置いてあるほどで、この他にも、街中に溢れんばかりの軍事基地や数年分の食糧の蓄えがあります。一般道路にもいざというとき、戦闘機が発着陸できるような滑走路ができるよう工夫されている。いついかなる状況においてもすぐに防衛策がとれるように、国自体が巨大な要塞とかしています。だからといって彼らは争いを好んではいません。
あくまでも祖国を守るため、愛する家族達を守るための当然の防衛策なのです。
  スイスの永世中立が認められたのは1815年。まだナポレオンがいた頃の話である。国の周りを「フランス」「イタリア」「オーストラリア」「ドイツ」に囲まれ、どの国からも領土を狙われていた。スイスを戦略できれば、他の敵国に優位に立て、同時に戦略されれば不利に働く。周りの国に虎視眈々と狙われるなか、スイスがとった行動は永世中立という立場でいること。前述の通り、これには他の国の了解が必要である。これを聞いた「フランス」「イタリア」「オーストラリア」「ドイツ」は、敵国に占領されて自らの脅威となるより、中立でいられたほうが好都合と考え、これを了承した。これにより、スイスの永世中立国として歴史が始まったわけである。

 自らの国を守らなくてはいけないとなると、徴兵制度は必然となる。スイス国民の20代〜30代の男性には兵役の義務がある。女性は任意だが男性の場合、健康診断で異常がなければ訓練の対象となる。期間は約5ヵ月間。訓練が一時的に終了すれば、銃と弾薬が支給される。緊急時にはすぐにスタンバイし、応戦できるようにということである。その後は約40歳まで、数年ごとに度々訓練が行われる。この長く厳しい徴兵制度。遊び盛りの20歳と同時に行われるということもあり、拒否するものは多い。そのため、拒否したことにより投獄される人も少なからずいる。考えてみてほしい。20歳になり、やっと今まで子どもではできなかった事や世界が広がろうというときに、徴兵制度で厳しい訓練とむさくるしい寮生活を誰が送りたいだろうか? そういった人のためにもきちんと兵役免除がある。それはボランティアをすること。スイスは平和維持活動にも力を入れており、各地域で天災などによる被害があればすぐに行動をする。日本も、過去震災などで助けてもらっている。強力な武装を強いてはいるが、本当は平和を愛する優しい国なのである。


 

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