知っておきたい基本情報や旅行体験記、スイス関連のリンク満載のスイス情報リンク集です。スイスの音楽

スイス

  ▼スイスの音楽

 ヨーデルと聞けば誰もがスイスを思い出すが、実はヨーデルはスイスだけではありません。ドイツやオーストリアでもヨーデルは盛んに歌われています。そのなかでもスイスのヨーデルはとても盛んで、伝統あるものとして大切に扱われ、国民にとても愛されています。ヨーデルは各地域の村と町でぞれぞれグループを作って活動します。ヨーデルは一見軽くみられがちなのですが、伝統と実績が重んじられているため、ヨーデルの稽古は他のそれと比べるとかなり厳しく行われます。

 たとえ音痴な人であろうと、音程については厳しく指導されます。音程のとれない人にとってはかなり音痴な人にとって、ヨーデルは難しそうなイメージがありますが、そんなことはありません。ヨーデルはその人の声にあったパートに振り分けられるため、音痴な人でも稽古を積めば美しいハーモニーの一部となれます。このパートわけは非常に大きな意味があり、3オクターブ以上取れるとヨーデルは非常にキレイなハーモニーになるため、こういった各パートに振り分けられるのです。パートに分けられると、あとはウーとかエーでベースを付けていきます。地味! と思われるのも仕方ありません。だがこれもヨーデルにとっては非常に大事な役なのです。むしろハーモニーなくしてヨーデルは成り立たないと言ってもいいでしょう。
  実際にヨーデルを唄えるのは少なく、1グループで選ばれるのは多くても4〜5名ほどです。これはヨーデルの歌い方そのものの難しさもあるためです。ヨーデルを唄うことができるのも、日頃の厳しい稽古なくしてはなしえません。音痴な人でも厳しい稽古しだいではヨーデルの一部となれると同時に、必ずパートのどこかで唄えるようにしてくれるため、とても人気を呼んでいます。スイスのヨーデルが人気なのもこのためといえます。

 スイスのヨーデルの訓練はまず、口に2本の指を縦に入れたまま声を出す稽古を行います。ヨーデル独特のファルセットを響かせるためには大量の空気を必要とするため、まず呼吸法から習うのです。またヨーデルの特徴でもある表声と裏声を切り替えて唄うためには、この呼吸法はかかすことのできない技術といえます。この独特の呼吸法により、ヨーデルを習得するのは難しいといわれています。しかし、唄えればこれほど迫力がありながらも美しい歌はないと思います。

 伝統と誇りであるヨーデルは、スイス国民にとってはまさしく宝のようなものです。それこそ子供から老人まで幅広く歌われています。単に伝統を守るだけではなく、毎年ヨーデルには新しい曲が生まれています。
コンクールなども随時行われ、各グループは日頃の稽古をいかし、競い合います。こうしたヨーデルのコンクールで賞をとることはグループの誇りともなります。

 

 「アルプホルン」

 スイスの音楽事情で、ヨーデルと並んで有名なのがアルプホルンです。アルペンホルンとも呼ばれてたこともあるそうですが、正しくはアルプホルンです。お間違えのないように。
  アルプホルンの特徴と言えば長い円錐管。この円錐管の長さで音が変わるのですが、平均的に20センチほどのものが多いようです。また、他の楽器と比べ、少し演奏の仕方が違っているのも特徴といえます。
  アルプホルンには音程を出す音孔がついておらず、じゃあどうやって音程を出すのかと言うと、マウスピースを使った唇の動きによって音程を出していきます。唇を小さくおちょぼ口にすれば高音が、唇を半開きのように大きくすれば低音が出ます。言ってる限りでは簡単そうですが、こちらはヨーデルとは違い、演奏者にもセンスや音感が求められる。つまり、このアルプホルンも一筋縄ではいかないということになる。
  アルプホルンの起源は定かではありませんが、楽器として認められたのは19世紀後半頃だそうです。ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームスがアルプスホルンを初めて楽曲に組み込んだことから認知されるようになったそうです。他にも、イタリアの作曲家ジョアキーノ・ロッシーニは「ウィリアム・テル」の歌劇にアルプホルン用の旋律を使っていることも有名である。
  ヨーデルもアルプホルンも共通しているものは、自然との対話や自然を思う気持ちを演奏することが多いと言われています。


 

Copyright (c) 2006 スイス情報リンク集 All rights reserved